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二次相続とは?よくあるトラブルと対策を相続専門弁護士が解説

この記事で分かること

「父が亡くなり、相続の手続きがようやく終わった。次は母が亡くなったときのことが心
配だ」——このように、一次相続を経験した後に二次相続への不安を感じる方は少なくあり
ません。

実は、二次相続は一次相続よりもトラブルが発生しやすく、相続税の負担も重くなりやす
いという特徴があります。にもかかわらず、「まだ先のこと」と先送りにしているうちに、
気づいたときには手遅れになっているケースが多いのです。

この記事では、二次相続の基本知識から、よくあるトラブル・その対策・弁護士に相談す
るメリットまでを、相続分野の経験豊富な弁護士が詳しく解説します。

1. 二次相続とは

(1)一次相続と二次相続の違い

二次相続を理解するために、まず一次相続との違いを整理しておきましょう。
たとえば、夫・妻・子ども 2 人の 4 人家族を例に考えます。

一次相続は、夫が先に亡くなった際に発生する最初の相続です。この場合の法定相続人は
妻と子ども 2 人であり、法定相続割合は、妻が 1/2 を、子ども 2 人がそれぞれ 1/4 ずつと
なります。

二次相続は、その後に妻(一次相続で相続人となった方)が亡くなった際に発生する 2 回
目の相続です。このとき、法定相続人は子ども 2 人のみとなり、その法定相続分はそれぞ
れ 1/2 ずつです。

つまり、二次相続とは、最初の相続における相続人が亡くなることで生じる、2 回目の相続のことを指します。

(2)二次相続が重要な理由

二次相続が問題となりやすい背景には、次のような構造的な特徴があります。

一次相続では、被相続人の配偶者(妻または夫)が存命であることから、子どもたちには、
「高齢の親を気遣って穏便に済ませよう」という意識が働くことが多く、深刻なトラブル
に発展しにくい傾向があります。

ところが二次相続では、親という歯止め役がいなくなります。子ども同士が直接向き合っ
て遺産を分ける構図になるため、これまで表面化しなかった感情的な対立や利害の衝突が
一気に噴出しやすくなります。

また、相続税の負担も二次相続の方が重くなりやすいという税務上の問題もあります。一
次相続の段階から二次相続を見据えた対策を取ることが、財産を守る上で非常に重要です。

2. 二次相続におけるよくあるトラブル

トラブル① 兄弟姉妹間での遺産分割の対立

二次相続で最も多いトラブルが、兄弟姉妹間での遺産分割をめぐる対立です。

一次相続では親の目があったため黙っていた不満や、長年蓄積してきた感情的なしこりが、
二次相続を機に一気に表面化します。「長男は生前に親から多くの援助を受けていたはずだ」
「介護を一人で担ってきたのだから、自分の取り分が多くて当然だ」といった主張がぶつ
かり合い、協議が長期化するケースが非常に多くあります。

特に、特別受益(生前贈与など)や寄与分(介護・療養看護への貢献)の評価については
法律的な判断が必要であり、当事者だけで解決しようとすると感情的な対立がさらに深ま
る恐れがあります。

トラブル② 遺言がなく、財産が思わぬ方向に渡る

被相続人が遺言を残していなかった場合、遺産は法定相続分に従って分割されます。その
結果、「先祖代々の土地は長男に渡したかった」「自宅を配偶者に渡した後、次は長男に引
き継いでほしかった」という被相続人の意向が実現されないまま終わることがあります。

また、一次相続で配偶者が相続した財産が、二次相続で予期せぬ人物(再婚相手・その子
どもなど)に渡ってしまうケースもあります。

トラブル③ 相続税の負担が一次相続よりも大幅に重くなる

二次相続では、相続税が一次相続よりも高額になりやすい傾向があります。その主な理由は次のとおりです。

法定相続人の数が減ることで基礎控除が縮小する。
相続税の基礎控除は「3,000 万円 + 600 万円 × 法定相続人の数」で計算されます。
一次相続では配偶者も法定相続人に含まれますが、二次相続では配偶者がいないため相続
人の数が減り、基礎控除が少なくなります。

配偶者の税額軽減が使えません。
一次相続では、配偶者の税額軽減により、配偶者が取得する遺産が法定相続分または 1 億
6,000 万円以下であれば相続税がかかりません。しかし二次相続ではこの特例が適用され
る場面がないため、課税額が増えます。

配偶者自身の財産も課税対象に加わります。
二次相続では、一次相続で取得した財産に加え、配偶者が元々保有していた財産も相続税
の課税対象になります。

小規模宅地等の特例が利用しにくくなります。
自宅の土地に適用できる小規模宅地等の特例は、取得者が被相続人の配偶者であれば取得
者に求められる要件は特にないのに対し、取得者が配偶者以外である場合は、一定の条件
が課されるため、二次相続では一次相続に比べて要件を満たしにくくなるケースがありま
す。

トラブル④ 遺言による二次相続対策には限界がある

「一次相続でしっかりした遺言を書いておけば二次相続まで対応できる」と思われる方も
いますが、実はそうではありません。遺言で指定できるのは、遺言者が死亡した際に発生
する一次相続までです。「自分の死後は妻に、妻の死後は長男に」という内容を遺言で指定
することは、法律上認められていません。
また、妻に「長男に渡す遺言を書いてほしい」とお願いしていたとしても、妻がその遺言
を書いてくれる保証があるわけではなく、一度書いた遺言をいつでも撤回することも可能
です。

トラブル⑤ 不動産の共有状態が固定化する

遺産の中に不動産が含まれており、二次相続でも遺産分割がまとまらないと、不動産が兄
弟姉妹の共有状態のまま放置されることがあります。共有不動産は、売却・賃貸・リフォ
ームなどの処分・利用に共有者全員の同意が必要になるため、将来にわたって活用の妨げ
となります。また、さらに次の世代(甥・姪など)への相続が発生すると、共有者が増え
てますます解決が困難になります。

3. 二次相続におけるトラブルを防ぐための対策

対策① 遺言書の作成(一次相続段階での整備)

二次相続対策の基本は、まずは、一次相続が発生するより前、すなわち親が存命のうちに
遺言書を作成しておくことです。

遺言書があれば、遺産分割協議を経ることなく被相続人の意思に従って財産を分けること
ができます。「誰にどの財産を渡すか」を明確にしておくことで、子どもたちが直接対立す
る場面を避けることができます。

遺言書は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の 3 種類がありますが、法的観点
から最も確実で後日のトラブルを防ぎやすいのは公正証書遺言です。弁護士のサポートの
もとで作成することで、法的要件の具備はもちろん、特別受益や遺留分への配慮が行き届
いた遺言書を整備できます。

対策② 家族信託(民事信託)の活用

遺言では実現できない「二次相続後の財産の行き先」まで指定したい場合には、家族信託
(民事信託)が有効な手段となります。
家族信託とは、信頼できる家族(受託者)に財産の管理・処分を任せ、利益を受け取る人
(受益者)を別途指定する仕組みです。受益者が死亡した際に順次新たな受益者を設定す
ることができるため、「自分の死後は妻に、妻の死後は長男に財産を引き継がせる」という
二次相続後の承継先まで確実に指定することが可能となります。

また、家族信託は認知症対策としても有効です。高齢になって判断能力が低下した場合に
備えて、あらかじめ家族に財産管理を委ねておくことで、口座凍結や不動産処分の停止と
いった問題を回避できます。

ただし、家族信託は設計が複雑で、信託契約書の内容によって効果が大きく異なります。
必ず弁護士などの専門家のサポートのもとで設計・契約することをお勧めします。

対策③ 生前贈与による財産の分散

相続財産を生前に一部贈与しておくことで、二次相続時の課税対象財産を圧縮することが
できます。年間 110 万円以下の贈与は贈与税の基礎控除の範囲内であるため、継続的な生
前贈与は相続税対策として有効です。

ただし、生前贈与は特別受益として遺産分割の計算に持ち込まれる場合があります。誰
に・何を・どのように贈与するかは、将来の遺産分割への影響を見据えて慎重に設計する
必要があります。

対策④ 一次相続の段階で二次相続を見据えた遺産分割を行う

一次相続において、配偶者にすべて相続させることが必ずしも最善とは限りません。配偶
者の税額軽減を最大限に活用した結果、二次相続時の課税財産が増え、かえって税負担が
大きくなるケースがあるからです。

一次相続と二次相続を合わせたトータルの相続税負担を最小化するためには、二次相続ま
で見据えたシミュレーションを行いながら最適な分割割合を検討することが重要です。

4. 二次相続に関して弁護士に相談するメリット

(1)一次相続・二次相続を見据えた総合的なアドバイスができる

相続問題は、一次相続と二次相続を切り離して考えることはできません。弁護士に相談す
ることで、現在の家族構成・財産状況を踏まえ、一次相続・二次相続の両方を見据えた最
適な対策を総合的にアドバイスすることができます。

(2)遺言書の作成を法的に適切な形でサポートできる

遺言書は、内容に不備があったり法定相続人の遺留分を侵害していたりすると、後日争い
の原因になります。弁護士が遺言書の作成に関与することで、法的に有効で、かつ将来の
トラブルを最小化した内容に仕上げることができます。

(3)家族信託の設計・契約をサポートできる

家族信託は、信託契約書の内容設計が極めて重要です。目的に応じた受益者の設定・帰属
権利者の指定・不動産の信託登記など、法的に正確な設計が求められます。弁護士が全体
の設計から契約書作成・登記手続きまで一貫してサポートします。

(4)遺産分割協議・調停・審判に対応できる

二次相続でトラブルが発生した場合、弁護士が代理人として相手方との交渉・調停・審判
に対応します。特別受益・寄与分の法的主張、適正な遺産評価に基づく分割提案など、依
頼者の権利を最大限に守るための戦略を立案・実行します。


(3)税理士・司法書士と連携したワンストップ対応ができる

二次相続対策には、法律(弁護士)・税務(税理士)・登記(司法書士)の各専門家の連携
が不可欠です。当事務所では、地域の専門家ネットワークを活かし、各分野をワンストッ
プでサポートする体制を整えています。

5. 当事務所のサポート内容

法律事務所羅針盤では、二次相続に関して次のようなサポートを提供しています。

(1)生前対策のサポート

遺言書の作成(公正証書遺言の手続きサポート含む)・家族信託の設計と契約書作成・生前
贈与の法的整理をサポートします。「まだ元気なうちに対策しておきたい」という段階から
のご相談を歓迎しています。

(2)二次相続発生後のサポート

遺産分割協議の代理交渉・調停・審判への対応・遺産分割協議書の作成・不動産の評価額
をめぐるトラブルへの対応を行います。
初回相談は 60 分無料です。
「二次相続についてまだ何も準備していない」「一次相続のことで手一杯で二次相続まで考
えられていなかった」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
当事務所は千葉県市川市に拠点を置き、市川市・船橋市・浦安市・千葉市をはじめとした
千葉県全域、および江戸川区・葛飾区・江東区など東京東部エリアのご相談を多く承って
います。

二次相続への備えは、早ければ早いほど選択肢が広がります。まずはお気軽に、法律事務
所羅針盤へご相談ください。

この記事の執筆者
法律事務所羅針盤 弁護士 本田 真郷
保有資格弁護士、中小企業診断士、マンション管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
専門分野相続
経歴

千葉県千葉市出身
平成11年 千葉市立稲毛高等学校卒業
平成15年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
平成16年 司法試験合格
平成17年 最高裁判所司法修習生採用(第59期、大津修習)
平成18年 弁護士登録(千葉県弁護士会)
千葉県市川市の弁護士法人リバーシティ法律事務所に入所
平成23年 法律事務所羅針盤開設に参加
平成29年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(税法コース)修了
平成29年12月
~令和元年11月 総務省官民競争入札等監理委員会事務局政策調査官、同省公共サービス改革推進室政策調査官(併任)

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