財産管理をしていた相続人が財産を使い込んでいたが、正当な手続きによって遺産を取り戻した事例
依頼者属性
●年齢・性別: 50 代・女性
●被相続人との関係:子
●相手方:被相続人の子(被相続人の兄弟)
●居住エリア:千葉県
●主な争点:使途不明金の認定
相談から解決までにかかった期間
約 1 年
相談に至った経緯
依頼者の父(被相続人)が亡くなり、相続が開始しました。依頼者は、被相続人と同居し
ていた相手方(被相続人の長男)に対し、遺産分割協議の前提として遺産の概要を開示し
てもらいたい旨を要望したものの、相手方はなかなか遺産開示に応じようとしませんでし
た。そこで、依頼者は自分で遺産の状況を調査したところ、自宅不動産はあるものの、被
相続人名義の預貯金の残高がほぼ0円であることが判明しました。
被相続人は、生前、相応の預貯金をもっていたはずであるのに、相続開始時には目ぼしい
残高がない状況であることに不信を持った依頼者は当事務所に相談されました。
受任後、当事務所は相手方に対して遺産開示要求を含む受任通知を送付するとともに、預
貯金について独自の財産調査を行うこととし、被相続人が口座を保有していた金融機関に
ついて、約10年分の取引履歴を取り寄せました。
そうしたところ、被相続人について、相続発生直前の約半年間に数百万円の預貯金が出金
されていることが判明しました。
結局、相手方からは遺産の開示はありませんでしたが、相続発生直前の預貯金出金につい
て、相手方に具体的使途に関する照会を行ったところ、相手方が相当部分を私的に費消し
たことを認めたため、相当部分の出金額を相続財産に持ち戻した上、これを踏まえて、相
手方が依頼者に対し、代償金を支払う旨の遺産分割協議が成立しました。
担当弁護士からのコメント
被相続人と同居していた相続人がいる場合、通常、当該同居相続人が遺産に関して最も多
くの情報を保有していることから、他の相続人は、まず当該同居相続人に対し、遺産開示
を求めることが多いものです。
本件でも同居相続人に対し遺産開示を求める進め方自体は同様に採用したものの、依頼者
から提供された情報に基づき同時並行で被相続人名義の預貯金について、同時調査として
取引履歴の調査申請を行い、入出金状況に関する詳細調査を行い、その結果、被相続人が
関与したものとは思われない使途不明の出金があることを把握することができました。
本件相手方は自分が情報開示をしなければ、他の相続人は上記出金状況を知り得ないと思
っていた様子であり、依頼者側が独自調査により当該出金状況に関する詳細を把握するこ
とは想定外であったようであり、この時点で遺産分割協議の主導権をもつことができたた
め、その後の協議は比較的スムーズに進めることができました。
基本的調査を確実に行ったことが功を奏した事案と言えるかと思います。

千葉県千葉市出身
平成11年 千葉市立稲毛高等学校卒業
平成15年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
平成16年 司法試験合格
平成17年 最高裁判所司法修習生採用(第59期、大津修習)
平成18年 弁護士登録(千葉県弁護士会)
千葉県市川市の弁護士法人リバーシティ法律事務所に入所
平成23年 法律事務所羅針盤開設に参加
平成29年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(税法コース)修了
平成29年12月
~令和元年11月 総務省官民競争入札等監理委員会事務局政策調査官、同省公共サービス改革推進室政策調査官(併任)


