相続開始から10年以上経過した後の相続放棄に関する事例
Aさんの父親が亡くなりましたが、特に相続財産もなかったため、Aさんは何も相続手続を行いませんでした。
ところが、それから約10年が経過した後、Aさんは、父親の債権者を名乗る金融業者から、相続人として借金の返済をしてもらいたい旨の請求を受けました。
事情を確認したところ、Aさんの父親は友人の借金の保証人になっており、友人が借金を返済できなくなったため、債権者がAさんに対して、相続人として借金を返済するよう求めてきたことが分かりました。
ご相談を受けた当事務所では、Aさんが相続放棄を行うことができないか検討しました。
相続放棄は、原則として相続人が相続の開始を知ったときから3か月以内に行わなければなりませんが、Aさんの場合、相続財産がないと考えていたため、借金の返済請求を受けた時点が相続の開始を知ったときに該当すると言える可能性がありました。
そこで、家庭裁判所に対し、この点に関する補足事情の説明を付して相続放棄の申述を行い、その結果、Aさんの相続放棄の申述は無事受理されました。
この記事の執筆者
法律事務所羅針盤
弁護士
本田 真郷
保有資格弁護士、中小企業診断士、マンション管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
専門分野相続
経歴
千葉県千葉市出身
平成11年 千葉市立稲毛高等学校卒業
平成15年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
平成16年 司法試験合格
平成17年 最高裁判所司法修習生採用(第59期、大津修習)
平成18年 弁護士登録(千葉県弁護士会)
千葉県市川市の弁護士法人リバーシティ法律事務所に入所
平成23年 法律事務所羅針盤開設に参加
平成29年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(税法コース)修了
平成29年12月
~令和元年11月 総務省官民競争入札等監理委員会事務局政策調査官、同省公共サービス改革推進室政策調査官(併任)