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多数の不動産がある遺留分侵害額請求事件において相続税申告期限までの早期解決を実現した事例

依頼者属性

  • 年齢・性別:70代・男性
  • 被相続人との関係:子
  • 相手方:兄弟
  • 居住エリア:千葉県
  • 争点:遺留分侵害額の計算(主に不動産評価額の算出)

 

相談から解決までにかかった期間

約5か月間

相談に至った経緯

被相続人である相談者の亡母は収益物件を含む10数筆の土地を所有しており、査定価格で計算すると約2億円程度の相続財産がある状況でした。

亡母の相続人は子5名でしたが、亡母はそのうちの1人の子に全財産を相続させる旨の遺言を作成しており、相談者は遺留分侵害額請求権の行使を希望して、当事務所に相談しました。

当事務所が相談を受けた時点で相続から約4か月が経過していましたが、相談者は、相続税申告期限内(原則として相続開始時から10か月以内)に相続に関する問題を全て解決したいとの希望であったため、当事務所でもできる限り早期解決を目指すことを基本方針としました。

早期解決を実現するためには、期日調整に時間を要する調停や訴訟等によらず、交渉での解決を目指すことが基本となるため、当事務所は内容証明郵便による遺留分侵害額請求権行使の手続を取った後、直ちに相手方相続人と接触し、問題点の洗い出し及び関係者間での共有を図りました。

本件では、遺留分侵害額を計算するに際し、不動産評価額をどのように設定するかが最大の課題であり、交渉開始時点では、相談者は価格が最も高くなりやすい査定価格による評価を主張しており、相手方相続人は価格や低くなりやすい固定資産評価額による評価を主張している状況でした。

このままでは平行線となってしまうため、当事務所では、最も評価額の高い一部不動産については査定評価による評価の主張を維持しつつ、他の不動産については、路線価による評価を採用するなど、相手方相続人の主張にも一定の配慮を示す調整案の提示を相談者に提案させていただき、早期解決の観点から、理解を得られたため、これによる調整を進めました。

そうしたところ、相手方相続人も相談者の譲歩を評価し、早期解決に理解を示したため、本件は着手から約5か月、相続税申告期限まで約2か月の期限を残す段階で合意が成立し、相談者は当初の目標のとおり相続税申告期限までに相続に関する問題を解決することができました。

担当弁護士からのコメント

不動産評価の問題を含む遺留分侵害額請求は、不動産の評価方法次第で遺留分侵害額が相当大きく変動するケースも珍しくないため、不動産評価方法を巡ってシビアな対立が生じ、解決までの時間も長期化することが多く見られます。

本件では、このような不動産評価の問題を含む遺留分侵害額請求のケースで、着手から約5か月という早期解決を実現できた事案であるという点が特色です。

相談者の希望は相続税申告期限までの解決でしたが、相続に関する紛争が生じている場合、必ずしも全ての問題を解決しないと相続税申告ができないわけではなく、ひとまず未分割や遺言に基づく相続税申告を行い、解決後に解決内容に応じた修正申告(更正の請求)を行うという方法もあるところ、相談者はそれでも相続税申告期限までに全ての紛争を解決し、それ以降に問題を持ち越したくないとの希望がある状況でした。

このようなご希望はこだわりすぎると案件の進行に支障が生じてしまうケースもありますが、本件では、関係者全員との間で相続税申告期限での早期解決を目指すという目標を共有することができ、これに向けて各自が可能な範囲で譲歩するという関係性を築くことができたことが最大のポイントであったように思われます。

この記事の執筆者
法律事務所羅針盤 弁護士 本田 真郷
保有資格弁護士、中小企業診断士、マンション管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
専門分野相続
経歴

千葉県千葉市出身
平成11年 千葉市立稲毛高等学校卒業
平成15年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
平成16年 司法試験合格
平成17年 最高裁判所司法修習生採用(第59期、大津修習)
平成18年 弁護士登録(千葉県弁護士会)
千葉県市川市の弁護士法人リバーシティ法律事務所に入所
平成23年 法律事務所羅針盤開設に参加
平成29年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(税法コース)修了
平成29年12月
~令和元年11月 総務省官民競争入札等監理委員会事務局政策調査官、同省公共サービス改革推進室政策調査官(併任)

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