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面識のない相続人がいる場合の遺産分割の進め方について弁護士が解説

「父が亡くなり、戸籍を調べたら会ったこともない腹違いの兄弟がいた」

「亡くなった叔父の遺産を分けることになったが、面識のない甥や姪が複数いる」 

こうした状況は、現代の相続では決して珍しいことではありません。しかし、面識のない相続人が一人でもいると、通常の遺産分割とは比較にならないほど難易度が上がります。

1. 面識のない相続人がいると、なぜ遺産分割が難しくなるのか

遺産分割協議は、相続人全員による合意の成立が必要です。この相続人全員による合意が必要であることが、面識のない相続人がいる場合に大きな壁となります。

(1) 遺産分割協議書の作成ができない

遺産を分けるためには、相続人全員が署名し、実印を押印した遺産分割協議書を作成しなければなりません。面識がないからといって一人でも除外して進めることは法的に不可能であり、その人が協力してくれない限り、預貯金の解約も不動産の名義変更もできないこととなります。

(2)連絡先の特定が困難

そもそも「どこに住んでいるのか」「電話番号は何番か」がわからないところからスタートします。住所がわからなければ、手紙を送ることもできません。

(3)感情的な対立と警戒心

面識のない相手から突然、遺産の話を持ちかけられると、相手は「騙されているのではないか」「自分に不利な条件を押し付けられるのではないか」と強い警戒心を抱きます。この心理的な不信感が、交渉の入り口を閉ざしてしまいます。

(4)隠し財産や使い込みへの疑念

相手が被相続人と近かった場合、こちらに対して「生前にお金を使い込んでいたのではないか」と疑念を抱くことがあります。逆にこちら側も、相手が何を考えているかわからないため、疑心暗鬼になり、冷静な話し合いが困難になります。

2.面識のない相続人がいるケースの具体例

実務上、面識のない相続人が発生するのは主に以下の3つのパターンです。

① 先妻・後妻の子(異母・異父兄弟)

被相続人に離婚歴があり、前の配偶者との間に子供がいた場合です。戸籍を遡って取得してみて初めてその存在を知るケースが多く、現在の家族とは全く交流がないことが一般的です。

② 代襲相続による「甥・姪」

被相続人に子供がおらず、親も既に亡くなっている場合、兄弟姉妹が相続人になります。その兄弟姉妹が既に亡くなっていると、その子供(甥・姪)が代襲相続人となります。親族付き合いが希薄な場合、名前程度しか知らない、または名前すら知らない甥・姪が数名現れることがあります。

③ 行き過ぎた「数次相続」

祖父の代の相続を放置していた間に、父が亡くなり、その兄弟も亡くなった……というように相続が重なる(数次相続)と、相続人の範囲が爆発的に広がり、一度も会ったことがない「再従兄弟(はとこ)」などが相続人に含まれる事態になります。

3.面識のない相続人がいる場合の対応方法

面識のない相続人と遺産分割を進めるには、以下のステップを慎重に踏む必要があります。

ステップ1:戸籍調査による正確な相続人特定

まずは被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本及び現在の相続人に繋がる戸籍謄本をすべて収集し、「誰が相続人なのか」を法的に確定させます。

ステップ2:附票(ふひょう)による住所特定

戸籍謄本だけでは現住所はわかりません。本籍地で「戸籍の附票」を取得することで、その相続人の現在の住民票上の住所を特定します。

ステップ3:ファーストアクセス(最初の手紙の送付など)

住所が判明したら、最初のアプローチを行います。いきなり電話や訪問をするのは、相手を驚かせ、拒絶反応を引き起こすこともあるため、一般的には避けることが望ましいと思われます。基本的には丁寧な手紙を送る方法が適当であるケースが多いでしょう。

ステップ4:遺産分割案の提示

相手の意向を聞きつつ、公平な遺産分割案を提示します。面識のない相手に対しては、基本的には法定相続分を基準とした透明性の高い提案をすることが、合意成立への近道となります。

4.面識のない相続人とトラブルにならないためのポイント

専門家の視点から、トラブルを未然に防ぐための3つのポイントを挙げます。

①透明性の高い情報開示を心掛ける

情報を隠していると思われてしまうと、相続人間の相互不信に繋がり、相続人間の相互不信がある状況ではお互いに疑心暗鬼となり、遺産分割協議の成立を見込めません。必要に応じて預貯金の残高証明書や不動産の査定書などの客観的な資料も添付した財産目録を提示するなど、透明性の高い情報開示を心掛けることが早期円滑な合意成立の近道となることが一般的です。

②相手のメリット(早期の現金化など)を強調する

ただ単に「印鑑を押してほしい」という要求だけを伝えるのではなく、相続を完了させることで相手にも相続分(現金など)が入るというメリットを強調します。

③感情的な言葉を避ける

「被相続人と疎遠だったのだから当然相続権は放棄すべきである」というような態度はNGです。法的には面識の有無にかかわらず対等な権利があることを尊重し、事務的かつ礼儀正しい態度を貫くことが重要です。

5.面識のない相続人がいる場合に弁護士に相談するメリット

面識のない相手との交渉は、プロである弁護士に任せるのが最も安全で確実です。

具体的には以下のようなメリットがあります。

①「窓口」を弁護士に一本化できる

ご自身で手紙を書いたり、電話で話したりする必要がなくなります。弁護士が代理人として交渉することで、相手も「これは法的な手続きなのだ」と冷静に受け止め、感情的なトラブルを未然に防ぐことができる場合もあります。

②正確な調査と法的アプローチ

職務上の権限・ノウハウを活用して迅速に相続人やその住所を特定し、当該事案において最も適切と考えられる方法による説明・説得を試みます。もし相手が「お金を多くよこせ」といった不当な要求をしてきても、弁護士が法的根拠に基づき毅然と対応します。

③遺産分割調停へのスムーズな移行

どれだけ誠意を尽くしても、手紙を無視されたり、話し合いを拒否されたりすることはあります。その場合、弁護士に依頼していれば迅速に家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立て、裁判所を通じた法的手続において解決を図ることができます。

5.当事務所のサポート内容

「会ったこともない親族と話すなんて想像しただけで気が重い……」 そのお悩み、私たちが引き受けます。放置すればするほど、相手の代でさらなる相続が発生し、解決は不可能になります。

当事務所では、遺産分割を含む相続手続全般について、豊富な取り扱い実績があります。

多数の相続人がいる案件についても、全体の状況を的確に分析した上、ご相談者様が取るべき最適な手続方針をご提案申し上げますので、是非お気軽にご相談ください。

この記事の執筆者
法律事務所羅針盤 弁護士 本田 真郷
保有資格弁護士、中小企業診断士、マンション管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
専門分野相続
経歴

千葉県千葉市出身
平成11年 千葉市立稲毛高等学校卒業
平成15年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
平成16年 司法試験合格
平成17年 最高裁判所司法修習生採用(第59期、大津修習)
平成18年 弁護士登録(千葉県弁護士会)
千葉県市川市の弁護士法人リバーシティ法律事務所に入所
平成23年 法律事務所羅針盤開設に参加
平成29年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(税法コース)修了
平成29年12月
~令和元年11月 総務省官民競争入札等監理委員会事務局政策調査官、同省公共サービス改革推進室政策調査官(併任)

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