財産管理について不安がある
財産管理の重要性
相続発生の前後を問わず、財産管理は極めて重要な課題です。
相続発生前に適切な財産管理がなされていない場合、一部の推定相続人による財産の使い込みが生じるリスク、預貯金通帳や不動産権利証などの重要書類を管理不十分により紛失してしまい、財産状況が不明確となってしまうリスク、本人(将来の被相続人)の能力低下に付け込まれた消費者被害や詐欺等による財産流出のリスクなど、様々なリスクが生じる可能性があります。
特に本人が高齢であったり、障害があったりする場合は、本人(将来の被相続人)自身による財産管理には限界があり、適切なサポートがないと上記リスクがより顕著なものとなってしまうでしょう。
財産管理に関するよくある不安とその原因
財産管理に関して不安に思われる方が多いのが預貯金の管理や不動産の管理等に関する問題です。
預貯金の管理については、本人(将来の被相続人)が能力低下に伴い金融機関の窓口に行けなくなってしまうことにより必要資金の払戻しができなくなってしまったり、逆に悪意を持った第三者が本人(将来の被相続人)に取り入って本人を金融機関窓口まで連れて行き、能力低下に付け込んで多額の預金を引き出してしまったりする場合があります。このようなリスクに対処するために、必ずしも本人(将来の被相続人)が金融機関の窓口に行かなくとも必要資金の引き出しを行うことができる管理体制を作ったり、多額の出金を行う場合には本人(将来の被相続人)以外に適切な財産管理を行い得る者の同意を必要とするなどの管理体制を築いたりすることが重要となります。
不動産の管理については、自宅不動産であれば固定資産税支払等の管理や水道光熱費等の契約関係の管理が、収益不動産であれば賃貸借契約関係の管理や入居者とのトラブル等への対応などの課題が生じる場合があり、これに対応するための管理体制が必要となります。
相続開始前にこのような財産管理に関する問題で(推定)相続人間に意見の対立が生じてしまうと、相続人間の関係が悪化し、将来の相続発生時に円滑な相続手続を行うことは困難となってしまいます。
財産管理のために利用できる制度とツール
本人(将来の被相続人)の財産管理のために利用されることが多い典型的な制度は後見制度の利用と財産信託の利用です。
後見制度は、本人(将来の被相続人)の能力が低下した場合に、家庭裁判所の関与の下で就任した後見人等が本人(将来の被相続人)の財産管理のサポートを行う制度です。
後見制度には後見人等(能力低下の程度に応じて成年後見人、保佐人、補助人)を全て家庭裁判所が決める法定後見制度と、後見人(任意後見人)を本人自身が決める任意後見制度があります。
法定後見制度では、本人(将来の被相続人)の家族などが家庭裁判所に対して後見等の開始申立てを行い、家庭裁判所が本人の能力の程度や後見人等の適任者を審理の上、後見等の開始審判を行い、後見手続が開始されます。任意後見制度では、本人が予め任意後見人候補者との間で契約(任意後見契約)を締結しておき、本人の能力が低下した場合に、家庭裁判所の監督の下、任意後見人が財産管理を開始することとなります。
これに対し、財産信託は本人(将来の被相続人)が委託者となって、第三者(弁護士等の専門家や信託銀行など)を受託者として財産の管理運用を委託する制度です。財産信託では、後見制度のように本人の能力低下は条件とされず、また原則として家庭裁判所の関与も生じません。そのため、受託者の選定は慎重に行うことが求められる一方で、後見制度よりも柔軟な財産管理を行うことが可能です。
弁護士に相談するメリット
弁護士は法律の専門家であるため、財産管理に関するトラブルに迅速円滑に対応することができます。相続手続に通じている弁護士であれば、将来起こり得る問題を事前に予測した上、適切な財産管理計画を検討することもできるでしょう。
財産管理を検討する場合には、まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。
当事務所のサポート内容
当事務所では、多くの相続案件の取扱実績に加え、家庭裁判所の選任を受けての後見人、相続財産清算人等の各種財産管理人の経験も豊富です。
このような実績や経験を踏まえ、財産管理に関する一般的なご相談への対応、後見等制度利用のサポート、財産信託活用のサポートなど財産管理全般について、サポートを提供しております。
財産管理についてお悩みの場合、まずはお気軽にご相談ください。